この家に住みたい!を見つけたら…

建築家住宅手帖をご覧いただいているあなたも、きっとあなたも、ここに住みたい!と思える中古戸建に出会う時がやってきます。
中古戸建は、不動産業者さんが売っている建売の新築戸建てとは違い、そのほとんどが個人の方から売られています。そのため、なかなか売り手が建物の状態を保証することは難しいことがあります。
場合によっては購入後、一見してもわからない部分から、ゆがみやシロアリ、雨漏りが見つかることも…
買う人にとっては「素敵な家だけど、この建物って買っても大丈夫なの?」「買った後、どんなところを修理したらいいの?」という不安も大きくなりがちです。
そんな不安を解消するために、建築家住宅手帖では、すべての買いたい人に「ホームインスペクション」をおススメしています。

ホームインスペクションって何?

ホームインスペクションは、住宅に特化した専門家「住宅診断士」による建物調査のことです。売主さんや不動産仲介業者さんも一定程度、建物のことについて知っていますが、劣化の診断をしたり、建物の特性を読み解くためには、専門的な機材や、場合によっては天井裏や床下なども含めて、より専門的な目線で建物を見ることが重要です。
また一方で、不動産取引に直接かかわらない、第三者の目線で見てもらうことで、バイアスのない客観的な意見を聞くことができます。「売っている人目線でない情報」は買う人にとっては、とても貴重なもの。「買って大丈夫かな?」はもちろん、購入後行われる修繕やリフォームの際に「どの程度手を入れるべきか?」、さらには「今後この家とどう付き合っていくか?」が考えやすくなります。

大事なのはこの家に詳しくなること

一口に中古住宅、といっても、その建物の持つ特性は様々です。
鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造といった構造の材料の違いはもちろん、寄棟、切妻、陸屋根などの屋根形状や軒の出、窓のおさまり、そしてそれぞれの面する方角や「雨仕舞」とよばれる雨の流れ方など。
量産される規格住宅と異なり、特に建築家住宅は「この家のため」に様々なアイデアが詰め込まれています。似たものがないため、特性を一般論で読み解けない場合も少なくありません。そんな建築家住宅だからこそ、末永くこの家と過ごすためには、この家のクセや特性をしっかり理解して購入するのをおススメします。

ホームインスペクションは誰に相談したらよい?

ホームインスペクションの依頼先を選ぶときには、インスペクターの技術的な信頼性はもちろんですが、取引からの独立性があるか、以来から報告書作成までの期間は迅速か、この三点が特に重要です。
たとえば不動産仲介会社さんや建設会社さんからの紹介を受けることもできますが、この場合は中立性の面から、買う人自身が独自に依頼先を探すのがおススメです。自分で探すときには、WEB検索も有効ですが、ホームインスペクションの業団体のWEBページなどからも探すことができます。業者さんや、報告書の作成の有無、調査する範囲にもよりますが、だいたい10-20万円くらいになることが多いです。

「お取り置き」ができない不動産ですから、あなたが欲しい!と思った住宅に出会えたなら、購入に向けてすぐに動き出したいですよね。そんな時にスムーズな意思決定をするためにも、事前にホームインスペクションの依頼先を探しておけると、きっと動きやすくなるはずです。

「中古で建築家住宅を買うなら、まずはホームインスペクション」とぜひ覚えておいてください!

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