木の香りがしてくるような室内空間
今回は、近年見ることが少なくなった、室内の壁や天井に木質の材料が使われている木造の住宅3選をお届けします。建築家住宅手帖では、いままで幾つかの住宅を取材してきました。

ライト最後の弟子「遠藤楽」氏設計、『杉並S邸』

まずは、かの有名な近代建築の三大巨匠のひとり「フランク・ロイド・ライト」の日本人最後の弟子と言われる、遠藤楽氏設計の『杉並S邸』をご紹介します。
なによりこの住宅の見どころは、大きな吹き抜けを持つリビングルームです。1976年の建築当時から残る板張りの壁は、飴色のツヤを纏い、空間を優しく覆っています。さらにそこに印象的な彩りを添えるのは、遠藤楽氏の名人芸とも言える暖炉です。ソファに腰かけ、薪をくべながら、パチパチとはじける音に耳を傾けるひとときは、この家における何よりの贅沢。
実は、この住宅は時代を経てシェアハウスとして生まれ変わり、デザインが好きな若者たちが愛着を持って暮しています。

是非記事全文をご覧ください。

建築家プロフィール
遠藤 楽
遠藤 楽(えんどう らく、1927年3月13日 – 2003年7月24日)は、日本の建築家。フランク・ロイド・ライトから直接教えを受けた最後の日本人であり、親子二代にわたりタリアセンにてライトの薫陶を受けた。日本国内に、北は青森県八戸市から南は鹿児島県まで300件を超える建築作品を残した。

 

箱根の斜面地に建つ両親のための別荘、『箱根VILLA』

次にご紹介するのは、今なお現役の建築界の重鎮、横河健氏により設計された『箱根VILLA』です。
その名の通り、神奈川県箱根町に位置し、かつて茶畑であった斜面地に、張り出すように建てられたこの住宅は、両親のための別荘建築として1990年に設計されました。
車寄せの屋根は乳白色のポリカーボネート。その先のバニラアイスのようなクリーム色に包まれた玄関へといざないます。階段室を兼ねた玄関からは、居間へ向かう1階への下り階段と、寝室へと続く緩やかな上り階段が続いており、階段を下った先で視界が一変。
そのに広がるのは、天井や壁・床の至る所に木のぬくもりを感じさせる、6.4mの圧巻の高い天井のリビング空間が表れます。やや低い位置に横長の窓が配置されており、落ち着いた明るさで、視線が自然に窓の景色へと向かい、その先に箱根カルデラの緑が雄大に広がっています。
リビングに配置された筒状の設備家具(環具)は、部屋全体を照らすアッパーライトであり暖房サーキュレーターとしても機能する、この家の見どころのひとつ。


より詳しい情報は、以下の記事本文でご覧いただけます。

建築家プロフィール
横河健
建築家・横河健(1948-)は東京生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、1982年より横河設計工房を設立します。日本大学教授、日本建築家協会副会長、日本建築学会代議員などを歴任し、その後も武蔵野美術大学客員教授を務めた建築家です。研究施設である埼玉環境科学国際センター(1995 *1)や福祉施設であるC.T.O GLASS HOUSE(1998 *2)など、公共施設も数多く手がけている一方、初期の代表作であるトンネル住居(1982 *3)にはじまり、COSMOS-都市住居1990-(1989 *4)、杉浦別邸 多面体・ひるがの(2010 *5)など数多くの住宅・別荘作品を手掛けています。  自身の設計姿勢を「モノづくりはコトづくり」と位置づけ、住み手の身体と生活に寄り添う、精力的に活動する建築界の重鎮です。

 

知る人ぞ知る、建築家設計の木に囲まれた暮らし、『兄の家』

最後にご紹介するのは、知る人ぞ知る建築家本杉治郎氏設計の『兄の家』です。
1972年に竣工した本住宅の見どころは、まさに「木に囲まれた暮らし」が味わえる室内空間です。
玄関に入ると木の筒を思わせるように、床・壁・天井が同じ色味の板張り仕上げ。リビングも同様の板張りの内装に加え、柱と登り梁は一本の木を用いており、まるで樹木が室内に生えているかのような存在感を放っています。
さらには広々とした軒下空間では、壁の芯から少し外して配された枝分かれした2本の丸柱が、築50年を超えてなお、大きな軒を力強く支えており、美しい木組みを見ることができます。
そんな至る所に木が感じられる『兄の家』は、なんと現在、販売中。


詳細が分かる記事全文は、こちらから。

建築家プロフィール

本杉治郎

日本の建築家。1932生まれ2011没。株式会社東京設計事務所を主宰し、住宅や福祉施設など、数々の作品を手掛けた建築家。

以上、今回は建築家が手掛けた「木」の質感が素敵な住宅3選を、お届けしました。いかがでしたでしょうか。長く使われることでより深みが増していく木を使った構造や内装たち。それらを日々感じる味わい深い日常に、想いを馳せてみませんか。

ライター:佐竹雄太

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